15年前、劇場開場を飾ったのが、私と第三エロチカであったことを、今どれだけの人が知っているだろうか、あるいは覚えているだろうか?
私たちは『ニッポン・ウォーズ』を春秋座とスタジオ21で同時期に上演した。どういうことかというと、それぞれの劇場空間に合わせて、演出を変えてふたつの異なる舞台として上演した。こういうことができたのは、開場記念の時であったのと、性格の違うふたつの空間を持っているという、京都芸術劇場ならではの企画の成功だった。
しかし、その頃はというと、劇場、運営面、管理面においては、まったくもって今思い出すと笑ってしまうほどの未開と貧困にあった。比べるとまさしく現在は21世紀にふさわしいハード面を体現している。なんという発展ぶりだろうか。これはこれまで携わってきた劇場スタッフの、まさしく、冗談ではなく、汗と涙の賜物だ。
この間、『路上』シリーズをやり、パゾリーニの戯曲を上演し、『新宿八犬伝・第五巻』といった舞台を上演した。劇場の華やぎと発展に貢献してきたと自負する。この大学では自慢をしないとまるで無視されるから、しっかり自慢させていただく。
しかし、自慢ばかりで終わってはならない。私はスタッフのみなさんに感謝する。現在センター事務所で働いている人々はもちろんのこと、この15年間で一時センター事務所に在籍し、絶望と諦観もしくは一 身上の都合から京都を去っていった有形無形の人々に!
みなさん、お元気ですか?