一糸乱れぬ動きと躍動感、「動く芸術品」そんな印象を受けました。
息をつかさぬ音の流れに魅了されました。
第一部は佐渡の海を感じながら聴きました。小さな小さな音の不思議、感動です。
大の男の奏でる小さな小さな音の競演、素敵でした。
和太鼓でもこんなに音色が豊かで暖かさがあるとは、初めて知ったように思います。
自由なリズム、音色、強弱、かけ合い、なんと言っても間の絶妙さ。
本当に魂が揺さぶられ、心が解放されました。
ほかの音楽では様々な思いが聞いていて頭をよぎりますが、
太鼓だけは無になって聞き入れる最高の楽器と思いました。
太鼓の素晴らしさ、人のすごさ、力強さ、全てを感じることができました。
「和風の和太鼓」ではなく、音楽、風景、自然、風、光、音の中の静寂を感じました。
時空を超えた舞台、宇宙を遊泳する気分を味わいました。
太鼓を中心とした伝統的な音楽芸能に無限の可能性を見いだし、現代への再創造を試みる集団。
新潟県佐渡島で始動し、1981年、ベルリン芸術祭でデビュー。太鼓芸能を現代的な舞台芸術へと昇華し、日本のみならず世界の芸術・音楽表現に強い影響を与え、異ジャンルの優れたアーティストとの共演、世界の主要な国際芸術祭、映画音楽等に多数参加しています。
1年の1/3を海外、1/3を国内、1/3を本拠地・佐渡島で過ごし、多様な文化や生き方が響き合う「ワン・アース(一つの地球)」をテーマに、これまでに46ヶ国で3,600回を越える公演を行っています。
鼓童が本拠としているのは、四季折々の自然と伝統的な暮らしや芸能が息づく新潟県佐渡島。
そこにおける鼓童の創造的な活動とその理念は、単なる芸術団体の枠を超えるものとして注目を集めています。
この美しい島の魅力を広く内外に紹介するとともに、これまでの活動で培った経験を人と地域づくりに役立て、様々な交流を通じて地域文化をはぐくむ活動にも取り組んでいます。
また1988年より佐渡の市町村と共に国際芸術祭「アース・セレブレーション(地球の祝祭)」を開催し、国際交流や地域振興に寄与。米国ニューヨークタイムス紙に「日本で最先端のワールドミュージックイベント」と評されました。2008年には「第12回ふるさとイベント大賞」にて大賞(総務大臣表彰)を受賞、2009年には米国ティファニー財団創設「ティファニー財団賞・伝統文化大賞」を受賞しています。
「いぶき」Takashi Okamoto
研ぎ澄まされた肉体とひたすらに太鼓に挑む姿で魅了し続ける鼓童の、心技体の極地ともいうべき伝説的演目と坂東玉三郎氏が自ら手がけた新作とをつないだ芸術監督就任第一作です。
第一部は、坂東玉三郎氏作曲による新曲『カデン』で幕を開けます。音群の中でソリストが自由自在に打ち込みながら、静けさと激しさを幻想的に交錯させながら展開していきます。
様々なイメージを投射するモノトーンの世界から転じて、第二部は躍動するエネルギーを放ちながら彩り豊かに華やかな舞台を繰り広げます。クライマックスでは、打つことのみによって鍛え上げた肉体を太鼓に投じ、魂の響きによってカタルシスへと導きます。
4枚ともTakashi Okamoto | |
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「月待ち」 |
「屋台囃子」 |
「カデン」 |
鼓童は2012年4月より歌舞伎俳優・坂東玉三郎氏を芸術監督に招聘しました。
坂東玉三郎です。これまでの鼓童の重厚さに華やかさや軽やかさを加え、うねりながら流れていく舞台を創りました。一年間のツアーで練り上げ、演奏者の身体にも馴染んでまいりました。皆様にお楽しみ頂けるようにと願っています。
歌舞伎俳優。現代日本を代表する歌舞伎の立女形。新派、翻訳劇、現代劇などにも出演。舞踊家としても世界の様々な分野の芸術家とのコラボレーションを多数行う。また映画監督、演出家としても独自の美を創造する。2012年9月、重要無形文化財保持者(人間国宝)に認定。
大劇場「春秋座」は、観客席・舞台ともに本格的な歌舞伎スタイルを基本としながら、現代劇などの上演にも対応できる設計が特徴です。
鍛え上げられた肉体が赤い提灯の灯りに映える美しさは、歌舞伎が上演できる劇場ならでは。
そして木の舞台が太鼓の響きをより一層、引き立てます。鼓童が 演奏するにはピッタリの劇場空間です。
ゆったりとした座席で、通常の鼓童公演とはひと味違った舞台が楽しめます。
「鼓童」は、伝統的な音楽芸能に現代の感覚をプラスした美しい舞台芸術です。
その「鼓童」の名前は、基本的なリズムである心臓の鼓動から音(おん)をとった名前で、大太鼓の響きが母親の胎内で聞いた最初の音をイメージしています。そして「童(わらべ)」の文字には、子どものように何ものにもとらわれることなく無心に太鼓を叩いていきたいという願いが込められています。
シンプルでダイレクトな太鼓の響きは、お子様にも刺激になるはずです。