『石のような水』プロローグイベントを、 10月19日より1週間 元・立誠小学校 特設シアターで開催。 タルコフスキーの映画作品『ストーカー』『惑星ソラリス』、 維新派・松本雄吉氏の『蜃気楼劇場』、 松田正隆氏出演のテレビドキュメンタリー 『CAMOCEЛ(サマショール)―長崎そしてチェルノブイリ』の上演に加え リーディングやトークイベントなどを行い、盛況を得ました。 今回は作家・演出家の松田正隆氏に 『石のような水』を書くこととなった経緯や構想、作品への思いを伺いながら、 演劇批評家・森山直人と「その後」について語りあった トークの様子をご紹介します。
『CAMOCEЛ)―長崎そしてチェルノブイリ』
2006年/制作著作:テレビ西日本
★2007年フランスドキュメンタリーコンクールFIPATEL入賞/2007年度ロシアドキュメンタリーコンクール入賞
1945年、原爆によって多くを失った長崎。1986年、原子力発電所の事故によって都市自体を失った原発の町プリピャチ※。劇作家・松田正隆が二つの都市を訪ね、核が人々とふるさとに与える巨大な傷、断絶を描く2006年に放送されたドキュメンタリー番組。チェルノブイリ原発事故に大きな衝撃を受けた写真家・手島雅弘さんは13年後に様々な困難を乗り越えてチェルノブイリに入り、人と街の現状を撮影した。その時に撮影された高校生の集合写真を手掛かりに、長崎出身の松田と手島さんはチェルノブイリに向かい、4歳で被曝してスラヴォーチッチ※に移住、いま結婚や出産の時期を迎える若者たちにインタビューを試みる。
黒木和雄
1930-2006 映画監督。松田正隆による戯曲作品『紙屋悦子の青春』を黒木和雄監督が映画化している。
サマショール
チェルノブイリ原子力発電所事故後、立ち入り禁止区域とされた土地に、自らの意志で暮らしている人々。
劇作家・演出家。マレビトの会代表。1962年長崎県生まれ。89年立命館大学文学部哲学科卒業。96年『海と日傘』で第40回岸田國士戯曲賞、98年『月の岬』で読売演劇大賞最優秀作品賞、98年『夏の砂の上』で読売文学賞、2001年に京都府文化奨励賞を受賞。2003年より演劇の可能性を模索する 集団「マレビトの会」を結成。主な作品に『cryptograph』(07)、『声紋都市-父への手紙』(09)、写真家笹岡啓子との共同作品『PARK CITY』(09)、『HIROSHIMA-HAPCHEON:二つの都市をめぐる展覧会』(10)、『アンティゴネーへの旅の記録とその上演』(12 などがある。現在、立教大学現代心理学部映像身体学科教授。戯曲の他、『美しき夏キリシマ』(03)、『紙屋悦子の青春』(06)など、映画の脚本・原作も手がける。