公演詳細

主催公演

サミュエル・ベケット作『ゴドーを待ちながら』関連企画
展示+レクチャー

サミュエル・ベケットを〈読む〉


サミュエル・ベケットは、文学や演劇ばかりでなく、アート、音楽、映画、ダンスなどにも大きな影響を与えています。
また、特にベケット没後の1990年代から戦争、テロ、災害が相次ぎ、格差が広がる一方の現代において、作品の受け止められ方は以前とは決定的に変わってきています。

『ゴドーを待ちながら』の上演を機に、幅広い視点からベケットをとらえるために、小さな展覧会とレクチャーを開催します。
戯曲、小説、評論、評伝、影響を受けたアーティストの作品集などの書籍、映像や、専門家による「ベケット受容の変遷」についてのレクチャーから、今日におけるベケットの意義について、ともに考えていただければ幸いです。

※研究会の詳細については、共同利用・共同研究拠点ウェブページをご覧ください。


 
公演情報
展示
2017年9月8日(金)~11日(月)11:00-20:00 ※最終日は17:00まで
会場:春秋座ホワイエ
レクチャー
9月8日(金)17:00
会場:京都造形芸術大学 人間館NA412教室(人間館4階)

会場構成:多木陽介+小崎哲哉+原田祐馬(UMA / design farm)
※最終日は17:00まで
※9/9、10は『ゴドーを待ちながら』公演日のため、13時から14時半は展示をご覧いただけません。ただし、公演チケットをお持ちのお客様は開場後からご覧いただけます。

チケット情報
展示、レクチャーともに無料(レクチャーのみ要事前申込)

レクチャー申込:以下のいずれかよりお申込みください。
共同利用・共同研究拠点ウェブページ申込フォーム
・京都造形芸術大学 共同利用・共同研究拠点事務局 TEL:075-791-9144(平日10-17時)

 

登壇者プロフィール
多木陽介
1962年、東京生まれ。ローマ在住。演出家、アーティスト、批評家。舞台演出、芸術文化的主題の展覧会の企画構成、講演、執筆、翻訳を行うかたわら、エコロジーに関わる人々についての研究を進める。2013年にローマ市立演劇記念館で、「(不)可視の監獄――サミュエル ・ベケットの演劇と現代世界」展をキュレーションし、2016年には『(不)可視の監獄 サミュエル・ベケットの芸術と歴史』(水声社)を刊行した。

小崎哲哉
1955年、東京生まれ。京都在住。ウェブマガジン『REALKYOTO』編集長。京都造形芸術大学舞台芸術研究センター主任研究員。2003年、現代アート雑誌『ART iT』を創刊。パフォーミングアーツ統括プロデューサーを担当した「あいちトリエンナーレ2013」では、ベケット関連作品を多数上演した。編著書に、20世紀に人類が犯した愚行を集めた写真集『百年の愚行』『続・百年の愚行』(Think the Earth)がある。

 




Samuel Beckett(1906-1989)
アイルランド生まれの小説家、劇作家、詩人。1920年代の後半と1937年以降は、大戦中を除いてほとんどパリで暮らした。『ユリシーズ』や『フィネガンズ・ウェイク』によって現代文学を革新したジェイムズ・ジョイスの助手を務め、作品は英語とフランス語の両方で執筆。第2次世界大戦中はフランスのレジスタンス運動に参加し、終戦後に執筆活動を再開する。1950年代に3部作の小説『モロイ』『マロウンは死ぬ』『名づけえぬもの』を上梓。1952年に、3部作執筆中の「気散じ」として書いたという戯曲『ゴドーを待ちながら』を発表する。翌年上演されて大成功し、文学・演劇界における地位を確立。1969年にはノーベル文学賞を受賞した。どの作品においても、誕生と死の間に宙吊りにされた人間の実存を主題としているが、その死生観は、悲惨な戦争体験によって形成されたといわれる。1989年、冷戦構造が崩壊したのと同じ年に死去。

主催:文部科学省認定 京都造形芸術大学
<舞台芸術作品の創造・受容のための領域横断的・実践的研究拠点>
2017年度 共同研究プロジェクト「サミュエル・ベケットを〈展示〉する―もうひとつの劇場空間に向けて」研究代表者:小崎哲哉
なお、本研究プロジェクトはJSPS科研費 JP17H00910の助成を受けたものです。