共同利用共同研究

文部科学大臣認定共同利用・共同研究拠点

京都芸術大学舞台芸術研究センター
舞台芸術作品の創造受容のための領域横断的実践的研究拠点
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picture | SHIMIZU Toshihiro

共同利用・共同研究拠点 概要

本研究拠点の活動理念

 日本の舞台芸術は、長い伝統を持ち、明治維新以後の「近代化」の過程を経て、なお、多種多様なジャンルが繁栄しています。ユネスコ世界無形文化遺産に登録されている能・狂言、文楽、歌舞伎、組踊などの伝統芸能はもちろん、最先端の現代演劇・ダンス、パフォーマンスなどの多くが、国際的に高い評価を受けています。
 その一方で、日本における舞台芸術の創造環境については、これまでさまざまな課題も指摘されてきました。演劇・舞踊の創造を担う学部・学科が、国立大学においていまなお不在であることや、国家予算に占める文化芸術予算が国際的な水準に照らして必ずしも充分でないことなどです。
 アーティストやドラマトゥルク、プロデューサーがじっくり腰を据え、多くの実験や試行錯誤を重ねながら、コンセプトを練り上げ、時間をかけて、ひとつの作品やプロジェクトを生み出していくこと。潤沢な予算に支えられている欧米の劇場と比較すると、優れた成果を発信するために必要不可欠な、そうした「創造のプロセス」は、日本においては必ずしも充分に守られているとは言えません。
 本研究拠点は、そうした問題意識に基づいて設立されました。すなわち、芸術活動の根幹となる作品の「創造」と「創造」に必要なヒントやインスピレーションを与える「研究」とが、実践的に融合する「芸術系大学」の社会的使命という観点から、アーティストと研究者・批評家が共同研究チームを組み、「創造のプロセス」を構築していく場(=「ラボラトリー機能」)を広く提供することを理念としています。本研究拠点の研究施設である「京都芸術劇場」を、共同利用・共同研究の「現場」として、できるかぎり多くの人々に活用してもらうことで、日本の舞台芸術創造のより一層の発展に寄与してきました。とりわけ、協働作業に長い時間を要するとされる複数のジャンルによる領域横断的な表現形態にかんしては、本研究拠点の理念と特色がもっとも発揮されるテーマであることから、これまでも重点的に取り組んできました。
 すでに終了した第Ⅰ期(2013-18年度)の研究活動における諸成果を踏まえ、第Ⅱ期(2019-24年度)においては、これまで以上に国際的なネットワークの観点を重視しつつ、さらなる研究成果を舞台芸術の創造現場に向けて発信できるよう、多角的な視点から取り組みを拡充していこうとしています。

創造と研究の融合−新たな舞台芸術学の「場」

〈第2幕〉という新たなステ-ジへ

わが国は、この千年あまりのあいだに生まれた複数の主要な舞台芸術が、この21世紀の現代にまで継承されていて、それらがそれぞれ頻繁に上演されている、世界にも類例のない国です。7世紀に渡来した伎楽は、残念ながら亡んでしまいましたが、その後の雅楽(舞楽)、能楽(能と狂言)、人形浄瑠璃(文楽)、歌舞伎はいまも健在です。一方、西洋演劇の移入からはじまり、この150年あまり、急速かつ多様な展開を遂げてきた近現代劇も、いまや世界の舞台芸術をリードするまでになっています。こうした現在の日本の舞台芸術をめぐる状況をふまえて活動してきた、私たち京都芸術大学舞台芸術研究センターは、2013年から文部科学省の「共同利用・共同研究拠点」事業の研究拠点として認定され、「舞台芸術作品の創造・受容のための領域横断的・実践的研究」をテーマにかかげ、「創造」と「研究」を融合させた、上演までのプロセスを重視した舞台芸術の制作活動を数多く行ってきましたが、その第Ⅱ期、いわば《第2幕》が2019年から6年間の予定で始まっています。これからはこれまでの第Ⅰ期6年間の試行錯誤も含めた経験を糧に、文字通り、舞台芸術研究の「拠点」として、時代にふさわしい、豊かな舞台芸術作品の創造をめざしてゆく決意です。

拠点リーダー /京都芸術大学舞台芸術研究センター所長
天野 文雄

Onto the Second Stage

Various important performing arts have been brought to life in Japan over last 1000 years, and they are still frequently practiced today. The way traditions have been handed down from generation to generation and yet holds contemporary value here is quite unique in the world topology. Gigaku, that was introduced to Japan in the 7th century is unfortunately extinct, but art forms that came later such as gagaku (bugaku), nohgaku (noh and kyogen), ningyō jōruri (bunraku) and kabuki, are still alive in the 21th century.
In the meantime, Japanese modern theater, which started off by importing western theatrical traditions, has drastically developed its diversity and Japan has become one of the leading countries in performing arts.
Kyoto Performing Arts Center encompasses both Japanese traditional and modern performing arts in its programs. And in 2013, the center was certified as a Joint Usage / Research Center by the Ministry of Education, Culture, Sports, Science and Technology. The aim is to become an Interdisciplinary Research Center for Performing Arts and the center has produced many performing arts projects that emphasize integrating the notion of “creation” and “research”.
In 2019, the center was certified as a Joint Usage / Research Center for another 6 years. In this second term, we are determined to continue to produce rich contemporary performing arts programs that reflect our changing society, expanding on our successes in the first term.

Fumio Amano
Director of Joint Usage / Research Center
Director of Kyoto University of the Arts Kyoto Performing Arts Center

リンク先

舞台芸術という分野を同じくする以下の拠点と広報等の連携を図っている。

■共同利用・共同研究拠点(Joint Usage/Research Center) 【文部科学省】
■早稲田大学演劇博物館 演劇映像学連携研究拠点
■法政大学能楽研究所 能楽の国際・学際的研究拠点