共同研究プロジェクト「想起の空間としての劇場」は、アーティストと研究者が「創作」と「研究」を並行して行う場として立ち上がりました。
上演を行なう《Showing》シリーズでは、「公演」における各要素の中で、複製技術を持つメディアを取り上げ、その固有性を丁寧に見つめ直すことで、それぞれの視点から劇場へと向かう創作を試みます。
第一回目は、音響作家・荒木優光による音響上演『パブリックアドレス-音場2』を上演します。昨年秋にアトリエ劇研(京都)にて初演された本作は、アーティスト本人が盲目の方へインタビューした音源を素材に構成された作品です。他者の聴覚体験と、現実世界を拡張・縮小させる音響装置・放送設備である「パブリックアドレス」(P.A)に着目した本作は、公演に関わるひとつの要素である「音」の可能性に気づかせてくれます。
さらに今後は、チラシ、写真、映像、言語、パンフレットなど、上演の前後の時間にも関わるメディアを取り上げ、個々の独立した作品を創作していきます。くわえて、これらの作品を本企画にて、継続し行なうことで、相互関係による新たな表現の可能性も模索します。
個々の作品は独立した上演でありつつも、本企画の眺望はひとつの「舞台芸術」と言えるかもしれません。
併せて開催される研究会では、行為や作品をどのように蓄積し、機能させていくのか、というアーカイヴの問題を検討します。創作/研究による劇場実験は、「劇場」の新たな地平を切り開く契機となるでしょう。(制作者:中山佐代)
◎ お問い合わせ/ご予約
2014showing@gmail.com
◎ WEBサイト
http://show-ing.tumblr.com/
研究チーム
横堀応彦(東京藝術大学大学院 音楽研究科専門研究員 専門:ドラマトゥルギー ドイツ語圏と日本の現代演劇)
荒木優光(音響作家)
針貝真理子(慶応義塾大学非常勤講師 専門:ドイツ演劇学・思想)
中山佐代(制作者、マレビトの会)
開催 | 2014年8月10日(日) | 料金 | 無料 |
---|---|---|---|
時間 | 17:00 開演(16:30 開場) | 座席 | 自由 |
会場 | 京都芸術劇場studio21 | 主催 | 京都造形芸術大学<舞台芸術作品の創造・受容のための領域横断的・実践的研究拠点>2014年度共同研究プロジェクト「想起の空間としての劇場」研究代表者 横堀応彦 |
京都芸術大学
共同利用・共同研究拠点事務局(舞台芸術研究センター内)
〒606-8271京都市左京区北白川瓜生山2-116
Tel:075-791-9144 Fax:075-791-9438