本研究会は、文部科学省の共同利用・共同研究拠点となっている京都造形芸術大学の公募研究(研究代表者:三浦基)として、地点と神戸大学・楯岡求美准教授の共同チームによって進められています。3~4 回の定例研究会と9 月7 日に開催される「劇場実験」を通じて、ロシアの詩人、ヴラジーミル・マヤコフスキーを研究しました。
戯曲『ミステリヤ・ブッフ』を知ることは、詩人・マヤコフスキーが演劇に何を託していたか、どのように舞台上での言葉の可能を捉えていたかを考える上で非常に重要な意味を持っています。定例研究会を通して、当時の上演の記録を紐解き、リアリズム演劇とは一線を画した表現方法がそもそも念頭に置かれていたことを知った私たちは、サーカス小屋のアリーナを模した特設客席での上演を通して実験をすることを思い立ちました。地点にとっては初挑戦の円形舞台となります。
当日は、地点、神戸大・楯岡求美氏、バンド「空間現代」による各発表を通して、これまでの研究会でそれぞれが得たインスピレーションを共有し、最終的には『ミステリヤ・ブッフ』のワンシーンを舞台化する予定です。ぜひこの実験にお立ち会いください。
◆マヤコフスキー(1893-1930)
ロシア・アヴァンギャルドを牽引した詩人として知られ、1918年、十月革命の一周年を祝うために『ミステリヤ・ブッフ』を書きました。1921 年の再演時も含め、演出は映画監督エイゼンシュテインの師として知られる演出家メイエルホリドが担当、革命後の新しい芸術、民衆のための演劇を志向した作品として受け入れられたといいます。マヤコフスキーはほかにも『南京虫』『風呂』といった戯曲を残しました。
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演出:三浦基 音楽:空間現代
ナビゲーター:楯岡求美
出演:安部聡子/石田大/小河原康二/窪田史恵/河野早紀/小林洋平
美術:杉山至 照明:藤原康弘 PA:吉田涼 舞台監督:浜村修司
制作:小森あや/田嶋結菜
*詳しい研究会についての記事は特設ページをご覧ください http://www.chiten.org/mayakovsky/
【これまでの研究会】
第1回
2015年5月26日(火)17:30-20:00
マヤコフスキー入門~未来派とロシア・アヴァンギャルド
講師:楯岡求美(神戸大学国際文化学研究科准教授)
第2回
2015年6月11日(木)19:30-22:00
サーカス学~道化師ラザレンコと『ミステリヤ・ブッフ』
講師:大島幹雄(作家・サーカスプロモーター)
第3回
2015年7月25日(土)18:00-21:00
聖史劇からアヴァンギャルド演劇まで~マヤコフスキーの
視界を覗く
講師:杉山博昭(早稲田大学高等研究所助教)、鴻英良(演劇批評家)
地点
演出家・三浦基が代表をつとめる。2011 年、チェーホフ作『桜の園/ワーニャ伯父さん』をモスクワ・メイエルホリドセンターで上演。また2012 年には、ロンドン・グローブ座からの依頼で初のシェイクスピア作品『コリオレイナス』を上演、成功をおさめるなど海外でも高く評価される。2013 年、京都にアトリエ「アンダースロー」をオープン。最近の主な作品にイェリネク作『光のない。』、ブレヒト作『ファッツァー』、ドストエフスキー原作『悪霊』など。
楯岡求美(神戸大学国際文化学研究科准教授)
専門はロシア文化・ロシア演劇。主な論文に「メイエルホリドの演劇性─チェーホフ、コメディア・デラルテとの出会い」「ナルキッソスの水に映る街ー劇場都市ペテルブルグ」「演劇における感情の伝達をめぐって─スタニスラフスキー・システム形成過程についての一考察」他多数。
空間現代
2006 年、野口順哉(gt.vo)古谷野慶輔(ba)山田英晶(dr)の3 人により結成。編集・複製・反復・エラー的な発想で制作された楽曲を、スリーピースパンドの形態で演奏。これによるねじれ、負荷が齎すユーモラスかつストイックなライブパフォーマンスを特徴とする。東京でのライブを活動の中心としつつもECD/飴屋法水/大橋可也&ダンサーズなど先鋭的なアーティスト達とのジャンルを超えたコラボレーションも積極的に行っている。2013年、地点の『ファッツァー』で音楽を担当。
時間 | ※こちらの公開研究会は終了いたしました。報告は詳細をご覧ください。 | 主催 | 京都造形芸術大学 2015年度 共同利用・共同研究拠点 |
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京都芸術大学
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