島田歌穂さんインタビュー 音楽の魅力 ご主人で日本を代表するピアニストの島健さんとデュオを組んで15年目―。ジャズからポップス、民謡にいたるまで2人が作り出す暖かい音楽にファンは多い。子役から活躍している歌手でミュージカル女優でもある島田歌穂さんに音楽の魅力について伺いました。 聞き手:舞台芸術研究センター 構成:佐藤和佳子

1.私達らしい音楽

―島健さんがピアノなのでジャズ系の曲が多いのかなと思っていましたが、ジャズ系から民謡まで随分バラエティに富んだ内容ですね。

島さんはジャズピアニストからキャリアをスタートしたのですが、 気が付いたらどの音楽のカテゴリーにも入らないというか、 やはり島健のピアノは島健のピアノだなと思うんですね。 例えば民謡のアレンジもジャズ風と言えばそうですが、 やっぱり「島健風」かなって思います。 ですから私たちのデュオも何風や何系というより、 やっぱり「自分達風」という音楽ジャンルになるのでしょうか。

―曲を選ぶにあたって基準のようなものはあるのですか?

意外性のある音楽を選んでいるかもしれないですね。 ジャズでも、いわゆるスタンダードよりは珍しい曲とか。 でもスタンダードを「こんな風にアレンジしちゃったんだ!」って するために、あえてとってもスタンダードな曲を選ぶこともあります。 アレンジも、私達がやると「この曲はこうなるんだ」っていう 意外性を念頭に置いているかもしれませんね。

―意外性というとレパートリーに尾崎豊さんの『I Love You』がありますが、ピアノ一本で男性ヴォーカルの曲をどうやるんだろう…という興味もお客様にとって楽しみですよね。

これは一昨年のクリスマスのデュオコンサートの時 リクエストを募集して一位になった曲なんです。 ちなみに『ハナミズキ』は去年の一位ですね。 ファンの方もやっぱり「この曲がデュオだとどうなるんだろう」って 思ってくださるみたいですね。

―他にもレパートリーに民謡がありますが、ピアノとヴォーカルだけのコンサートで民謡はほとんどやらないですよね。

そうですね。でも民謡は自分達の大事な挑戦なんです。

そもそも民謡もレパートリーに入れるようになったのは 伊藤多喜雄さん※の番組に出させていただいたのがきっかけなんです。 そこで多喜雄さんらしくアレンジされた 『島原地方の子守唄』を歌ったのですが、ものすごく感じるものがあって。 もっと民謡を歌ってみたい! と思うようになったんです。 その後NHKテレビの「井上ひさしの民謡を遊ぼう」という番組に 島さんと出演して、民謡のデュオをやらせていただいたんです。 例えば『花笠音頭』をテイクファイブ風にアレンジしたりして。 それが結構、楽しかったんですよ。 以来、この民謡をどうしたら自分達らしくできるんだろうって レパートリーを増やしています。

※民謡歌手、作曲家、音楽プロデューサー。北海道苫小牧出身。「民謡界」の枠にとらわれず「民謡」の復活へ向けて、独自に活動の場を切り開く。坂田明、小室等など様々なジャンルのミュージシャンとも共演し、積極的にライブ活動を展開。(オフィシャルサイトより抜粋)

大体、私たちのデュオは家に居ながらにして、 いつでもリハーサルできちゃうんです(笑)。 自分達で如何様にも作って行ける、 作っても如何様にも変わっていけるという自由さがあって、 便利なんですよ(笑)。

―ヒントを思い付いた時に、これやってみない?ってできますもんね。

そうなんです。譜面1枚あって、構成さえ決めてしまえば、 どんな曲もやれる。 バンドやオーケストラってアレンジが大変ですものね。 このデュオは、すごく幸せな音楽の遊び場…って言ったら失礼なのかな。 でも、そういう幸せな場所ですね。

づづく