松竹大歌舞伎 市川亀治郎改め四代目市川猿之助 九代目市川中車襲名披露

あらすじと見どころ

小栗栖の長兵衛

小栗栖村の長兵衛は、大酒飲みで喧嘩や博打を好む村一番の暴れ者。村人には嫌われ父親にまで見放されるほどです。今日も馬を盗んだ疑いをかけられたことで、暴れまわったため、村人たちに簀巻きにされてしまいます。しかし、長兵衛が謀反の明智光秀を竹槍で討った手柄者だと分かると、村人たちの態度は一変し……。

岡本綺堂による新歌舞伎の名作で、史実を背景としながら、浅はかな人間の姿や大衆心理に対する風刺を明るく描いており、大正九年に初世市川猿翁によって初演されました。澤瀉屋にとって所縁の深い作品をお楽しみ下さい。

口上

平成24年に二代目市川亀治郎が四代目市川猿之助の名を、香川照之が九代目市川中車の名を襲名し、その襲名興行は大きな話題をなりました。この度は、猿之助と中車が幹部俳優と共に、西コースの皆様に襲名の御挨拶をさせて頂きます。

四の切

吉野の河連法眼の館に匿われている源義経のもとを家臣の佐藤忠信が訪ねて来ます。そこへ静御前と供するもう一人の忠信が現れます。詮議を命じられた静御前が初音の鼓を打つと、何処からか忠信が現れます。実は、この忠信は狐。初音の鼓の皮に用いられた雌狐と雄狐の子で、親を慕って、忠信の姿に化けて鼓を持つ静御前を守護していたのでした。これを聞いた義経は・・・

三大名作のひとつ『義経千本桜』の中でも有名な「四の切」。狐言葉や狐手、欄間抜けや早替りなど澤瀉屋ならではの趣向溢れる華やかな一幕。狐親子の情愛を描いた名作をご覧ください。