ラースロ・ベルキとジプシー楽団&ダンサー インタビュー

オータムコンサート2日目は、ハンガリーからお越しいただく、 「ラースロ・ベルキとジプシー楽団&ダンサー」の超絶技巧の音楽とダンスのステージ。 遠く離れたハンガリーより、音楽を盛り上げる民俗舞踊を披露するダンサーのお二人と、 座長ラースロ・ベルキさんにお答えいただきました!

ダンサー
ミュージシャン
ラーザール アティッラ
(LÁZÁR Attila)
コバーチ・エメシェ
(KOVÁCS Emese)
ラースロ・ベルキ
(Laszlo Berki)
春秋座オータムコンサート

その2 ミュージシャンにインタビュー

ハンガリーのジプシー音楽について

―近年のハンガリーのジプシー楽団では、どんな曲が演奏されるのですか?

ラースロ クラシックでは、エルケル、ロッシーニ、ハチャトゥリアンなどの作曲家の作品や オペレッタでは、レハール、カールマーン、オッフェンバックなどの作曲家のもの さらにサラサーテ、リスト、ブラームスが作った ジプシー音階 ※1やハンガリーにまつわる曲などを演奏します。 それ以外にもハンガリーやルーマニアの作曲家(例:ディニク)や 作者不明ながら伝承されてきた曲に、 ヴィルトゥオーゾ(技巧)を盛り込んだスタイルで演奏します。

―ラーロスさんのスーパーテクニックはどのように習得されたのですか。

ラーロス スーパーヴィルトゥオーゾ・テクニックは、才能と絶え間ない努力の成果です。 父の楽団でも第2ソリストとして、父のパートを演奏していましたし、 現在も「100人のジプシーオーケストラ」のソリストとして演奏しています。

―現在では、どのような場所でハンガリーのジプシー演奏が楽しめるのでしょうか。

ラースロ ブダペストの幾つかのレストランでジプシーの楽団が演奏しております。 高いレベルのジプシー音楽は 「100人のジプシーオーケストラ」の演奏会でお楽しみいただけます。 また結婚披露宴などでも、多くの場合ジプシー楽団が興を添えますよ。

ラースロ・ベルキとは

―「ラースロ・ベルキ」という名前は、お父様と同じ名前ですが、
日本の歌舞伎のように名前を襲名していくものなのですか。

ラースロ 「ラースロ・ベルキ」は、芸名ではなく実名なのです。 ですので時期、あるいは芸術的に相応しいといった理由で 先代から名前を継ぐという考え方はありません。 父の死から数年間は、私はIfj. ※2ラースロ・ベルキとして、 演奏会のポスターなどに紹介されていました。 何年かしてIfj.を取り、 現在プリマーシュ(筆頭ヴァイオリン)として ラースロ・ベルキは私1人という意識でやっています。 現在、私には音楽家と音楽を学んでいる息子がいます。

―先代の「ラースロ・ベルキ」はどんな方でしたか?

ラースロ 私の父ラースロ・ベルキは多彩な才能を備えた音楽家でした。 ハンガリー国立民族舞踊団(Magyar Állami Népi Együttes)専属楽団(約30名)の 卓越したリーダーとして、コダーイやバールドシュが作曲した作品を演奏。 また、少人数による自身の楽団を組織し、国内・国外での演奏活動及びテレビ出演しました。 その楽団のために自ら多くの楽曲を編曲し、 ハンガリーのジプシー音楽の正統的継承を讃えて「金のシタール」賞、 ハンガリー共和国星騎士団勲章受章をしました。

―楽団のリーダーとして心がけていることは?

ラースロ 楽団を率いるプリマーシュとしての私の役目は、 まず第1にレパートリー曲の高い次元での演奏にあります。 そのためメンバーには最も優秀な奏者を厳選していますが 諸般の事情により入れ替わることもあります。 レパートリーの充実も心がけていますが、基本を構成する曲は変わりません。 そうした曲は広く親しまれており、 また私たちの演奏会でも演奏することが期待されているからです。 もちろん時には状況に合わせてレパートリーの一部をプログラムから外すこともあります。 例えば今年の日本ツアーでは、ハンガリーの歌謡曲の代わりに、 カールマーンやレハールの作品、日本の歌などを取り入れます。

日本という国

―ラースロさんは、8度目の来日ですね。日本はどんな印象ですか?

ラースロ 日本を訪れることは大きな喜びです。 私たちは日本、そして日本の方々がとても大好きです。 伝統と現代の生活が調和して共存する姿に、私たちは驚かされるからです。 訪れる度に、日本は世界の1年先を行っていると感じます。 そんな日本のお客様に拍手をいただけることは大きな喜びです。 ターロガトーを使った独奏曲のような悲哀、 あるいは「チャールダーシュ」のような喜びを歌う曲のように、 ハンガリーのジプシー音楽や民族音楽に大きな位置を占める 情緒性を評価してくださることを嬉しく思います。

―京都へは来られたことは、ありますか?

ラースロ これまで7回の日本公演で京都を訪れています。素晴らしい街ですね。 街の中心に古い建物が並び、現代的な建物が取り囲むように構成された街並み、 それを小高い丘のお寺から見渡した風景は忘れられないものです。 私たちが訪れた場所の中で、京都という日本の都市が、 もっとも美しく、古い文化的遺産を守っている所だと思います。 喜んで何度でも京都を訪れたいと思います。

―コンサートへいらっしゃる、お客様へメッセージをお願いします。

ラースロ 春秋座でみなさまに お目にかかれるのを楽しみにしております。

※1 ジプシー音階 ハンガリー、スペイン、ポルトガルなどに住むジプシーの、独特な音楽の基礎となる音階。 ※2 Ifj. 直訳では「若い方の」すなわち(息子)を意味。

春秋座オータムコンサート
公演情報&ラースロ・ベルキさんのコメント動画はこちらはこちら!
お得なセット券もあります
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