目覚めるたびに違う世界―
17世紀スペインの劇作家、ペドロ・カルデロン・デ・ラ・バルカの戯曲『人の世は夢』に触発され、パゾリーニが1967-68年パリ五月革命の頃に書いた作品。パゾリーニ戯曲集に収められた代表作6作品のうち最も大作で上演記録も最も多い。フランコ政権下のスペインが舞台。
次々と夢をみる主人公――カルデロン作『人の世は夢』での“セヒスムンド”(男性)が、パゾリーニ戯曲では“ロサウラ”(女性)で、セヒスムンドはロサウラの夢にでてくる一登場人物に転じているが、目覚めるたびにつぎつぎと違う世界にいて夢うつつを行き来するという同じ構造をもっている。
また、『人の世は夢』同様、様々な哲学と解釈が試みられているベラスケスの絵画「ラス・メニーナス」が関係しており、この画の読解が鍵の一つとも言える・・・