有史以前にまで想いを巡らし、全身全霊を傾けて公演を行う。宇宙的規模で思索し行動する2人が出会ったとき、 我々の五官はこれまでに感じたことのない振動に直撃されるだろう。ダンスと音楽という2つの測深機は、 身体性の根源にどこまで迫れるのだろうか?
サルドノはジャワ伝統舞踊の洗練の極致から、伝統への挑戦者である猿の王ハヌマンの荒ぶる身体に変身する。 踊りながら発声し絵を描き、静寂から突然出現する熱帯雨林。アジア的時間の巡礼者・土取とともに創造する 多次元空間は予測を超えるものになるだろう。
仙人のような、赤子のような、人でないような、まさしくこれこそが人であるような。開いて放って、 そこここに漂う微細なものものが、喜び愛しみ、生き生きと舞い踊って、あれこれの境が溶けてゆく。 土取さんは、実に豊かな源泉に触れている。