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KUNIO15『グリークス』 演出家・杉原邦生さんインタビュー

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このすけだよ☆

11月10日(日)に春秋座でKUNIO15『グリークス』っていうお芝居を上演するんだ♪

全部で10時間もかかるとっ~ても長いお芝居なんだって!

ぼく、『グリークス』の演出の杉原邦生さんにお話しを聞いてきたよ♬

 

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*****

 

このすけ:
杉原さん、お久しぶりです。ぼく、このすけです♪
こんどの『グリークス』は10時間のお芝居って聞いたんだけれど、どんな内容なの?
ぼくでもわかるようにわかりやすく教えてほしいな。

 

杉原邦生:
えっとね、10時間のお芝居の中で、いろんな人が殺されて、いろんな人が悲しんでいる「楽しいお芝居」かなぁ(笑)。

 

このすけ:

ええぇー!?
でも、それって歌舞伎と一緒だね。

 

杉原邦生:

そう。このすけが好きな歌舞伎とちょっと似ているところがあるかもしれない。
「古典」という昔からあるお話というところも似ているし、歌舞伎が誕生してからいま400年ぐらいでしょ、だけどギリシャ悲劇はもっと昔の2500年も前からあるお話だから、地球上で一番最初に生まれた演劇なんだ。そのギリシャ悲劇の10個の作品を一つの作品につなげてわかりやすくしたお芝居が『グリークス』。だから、難しく考えずに、10時間のながーい連続ドラマを見るような気持ちで観に来てもらえたらいいと思うよ。

 

このすけ:

へぇ~そうなんだ!
歌舞伎も通し上演も、何日もかかるものがあるけれど、それと似ているね!

 

杉原邦生:

そう、そういうこと!
このすけは長いお芝居は好き?

 

このすけ:

大好き!

 

杉原邦生:

じゃあ絶対楽しめるとおもうよ、このすけも。

 

このすけ:

『グリークス』にはどんなひとたちが出てくるの?
ぼくみたいな動物も出てくるのかなぁ?

 

杉原邦生:

動物は出てこないけど、人間と神様が出てくるんだ。
このすけは神様を信じていますか?

 

このすけ:

ぼくは神様にお仕えしているんだよ!

 

杉原邦生:

そうか、そうなんだ!このすけみたいに神様にお仕えしているひともでてくるよ。
アポロンっていう神様にお仕えしているカッサンドラという巫女が出てきたり、日本人でも共感を持ちやすいキャラクターもいっぱい出てくるんだ。

 

このすけ:

歌舞伎のときは、長いお芝居だと、お弁当を食べたりするけど、今回は何かあるの?

 

杉原邦生:

今回は春秋座のみなさんが協力してくれて、休憩中に食べるご飯とか軽食とかお菓子が近くのカフェで買えたりするから、食事の心配をせずに手ぶらで10時間観に来てもらえればOK。ピクニックみたいでしょ。

 

このすけ:

ぼくも『グリークス』に出られるかな~?

 

杉原邦生:

何がいいかな。コロスとかやってみる?

 

このすけ:

「コロス」ってなあに?

 

杉原邦生:

「コロス」っていうのはギリシャ劇に出てくる合唱隊のことで、「コーラス」の語源なんだ。お芝居する役者さんとは別に、基本的にずっと舞台上にいてお話を見ていたり、歌ったり踊ったり、ときには登場人物としてセリフを言ったり、いろんな役割がある。このコロスというパートがギリシャ悲劇の特徴なんだけど、数はいっぱいいても大丈夫。

 

このすけ:

『グリークス』は悲劇って聞いたけど、悲しいお話ばかりなの?

 

杉原邦生:

基本的には悲しいお話ばっかりだね。
だけど、ギリシャ悲劇って、映画もテレビも何もない古代のギリシャ市民にとっていちばんの娯楽だったんだ。笑いもあるし音楽もあるし踊りもあるし、エンターテインメントのすべての要素が詰まっているから、悲しいだけじゃない。笑えるし、かっこいいと思うシーンもあるし、一緒に歌いたいと思うシーンもあるし、いろんな楽しみ方ができるよ。

 

このすけ:

ほんとに歌舞伎と一緒なんだね!

 

杉原邦生:

そうでしょ。だから歌舞伎の通し上演を観るような感覚で来てもらえれば、きっと楽しめるし、カタカナの名前がちょっと覚えにくいなって思うかもしれないけど、ちゃんとお話がわかるように僕が演出するから。

 

このすけ:

ぼく、とっても楽しみにしているよ!

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杉原さんは、僕の大好きな猿之助さんともお仕事しているんだね。

 

杉原邦生:

猿之助さんはいつも、新しい体験をさせてくれる。
僕が想像もしていなかった仕事をくださるからびっくりするんだよ(笑)。
はじめは「そんなこと自分にできるかな?」って思うんだけど、やってみると最後にはやってよかったなといつも思えるし、猿之助さんとのお芝居つくりは僕にとってとても刺激的で勉強になる。とてもすごい人だと思うよ。

 

このすけ:

杉原さんは今年12月の木ノ下歌舞伎『娘道成寺』でも舞台美術をやっているんだよね。
どんな特徴があるのかなぁ?

 

杉原邦生:

よく知っているね。

 

このすけ:

もちろん!

 

杉原邦生:

今度の『娘道成寺』は生演奏でやるでしょ。2018年の初演のときからずっと主宰の木ノ下(裕一)くんがやりたいって言っていたことだから、ようやく実現できるんだなという意味でも、また僕を呼んでもらえて一緒に作品を作れるという意味でもすごく嬉しい。舞台美術の基本デザインは初演時から変わらないけど、僕なりに細かく布の色とかサイズをデザインし直しているから、これまでの上演を観たことがある人でも、もう一回春秋座で観てほしいなと思うよ。

 

このすけ:

じゃあ今回の『娘道成寺』は春秋座バージョンなんだね!

 

杉原邦生:

そう!春秋座のスペシャルバージョンだから、また新しい発見があると思うよ。

 

このすけ:

ぼくも『娘道成寺』の踊りが大好きだからぜったい観にいきます!
ぼく、『グリークス』を学生さんや若いひとにも観てほしいなぁ~♪

 

杉原邦生:

いま、みんなYouTubeとか短くて手軽に楽しめるものが好きでしょ。スマホでパッと見たりとか。

 

このすけ:

ぼくもツイッターやっているよ!

 

杉原邦生:

ツイッターやってるの?ツイッターも文字数が短いでしょ。
いまの時代、とにかく短くて手軽に楽しめるものが重宝されるけど、演劇って真逆で、同じ時間、同じ場所に集まらないと体感できない芸術。しかも『グリークス』は上演時間が10時間もある。でも、だからこそ体感できること、知れること、学べること、楽しめること、そして表現できることがあると思うから、それを楽しんでもらいたいな。滅多に全編上演されるものじゃないから、ぜひこの機会を逃さずに、どんな芸術を専攻している学生でも、何か引っかかるところがあると思うし、ひとつの人生経験として、ぜひ学生さんたちにも観てほしいなと思います。
学生さんに限らず「ちょっと10時間はどうかな…」って考えちゃうとは思うんだけど、絶対楽しめる作品にするので、ぜひ観に来てほしいと思っています。
このすけ、宣伝頼むよ!

 

このすけ:

杉原さん、お話ありがとうございます!!

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*****

≪公演情報≫

KUNIO15『グリークス』

京都芸術劇場 春秋座
11月10日(日)11:00

【編・英訳】ジョン・バートン、ケネス・カヴァンダー
【演出・美術】杉原邦生
【翻訳】小澤英実

【出演】
天宮良 安藤玉恵
本多麻紀 武田暁 石村みか 箱田暁史 田中佑弥
渡邊りょう 藤井咲有里 福原冠 森田真和 池浦さだ夢
土居志央梨 河村若菜 毛利悟巳 森口彩乃 井上夕貴
永井茉梨奈 中坂弥樹 尾尻征大 井上向日葵 岩本えり 三方美由起
松永玲子 外山誠二 / 小田豊

チケット発売中!!

《全3部作通しチケット》
一般     7000円
友の会    6000円
学生&ユース 3000円

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